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突如噴火した萌えに突き動かされて開設。とるものもとりあえず、なので流れる先は神の御手に一任。 腐れ・ネタバレ前提なのでお気をつけの程を。
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なんだかだらだら長くなったので、2つに分けてみました。
こうしてみると『百聞は一見にしかず』っていう
言い回しの意味がよく実感できますね。
もっともここの話の場合は
駄文百文は一枚の神絵にしかず、ですが。
続きをお望みの勇気あられる方は下からどうぞ。
…前回に増して腐ってきてますよー。お気をつけて。

朝比奈さんから貸していただいたソーイングセットから適当に糸と針を出し、針に糸を通す。お、一発で糸が通ったぞ。玉留めして、確かこっち側から刺して、と。たまにしかやらないからあまり慣れてるって訳じゃないが、意外と覚えてるもんだな。それにしても服を着たままの状態でボタンを付け直すってのはやりづらいもんだ。つけやすいように服の向きとか変えられないし、ブレザーの布地は厚めで針の通りが悪いし、って
「いてっ!」
いってー、うっかり針刺しちまった。やりづらいのに考え事しながらやったからだ。
針を刺した左手を反射的に振って痛みを逃がす。あーあ、血が出た。まあ舐めときゃ治るだろ。
半ば無意識で血の玉を浮かべた左人差し指を口に咥えた。が、なんか妙な視線を感じて斜め上を見る。見た瞬間大後悔、視線だけじゃない、顔が近い息が荒い目がヤバい!こっち見んな!
「いえ、一連の流れの破壊力にちょっとやられてしまいまして…あの、痛かったですか?」
痛かった?じゃねえよお前見てなかったのか。針を指に刺して痛くないなら、そいつ相当痛覚鈍いぞ。とりあえずアホなこと言ってる古泉を睨みつけて不快感を表してみる。最もメイド服姿で指咥えてるんじゃ、凄みも何もあったもんじゃないが。
と、見る間に古泉の顔色が変化した。さっきは薄い赤から真っ赤に、それの赤みももう引いて通常よりいくらか赤いか、鼻息荒いけど、くらいになってたのが、いきなりまた真っ赤に逆戻りだ。そして泡喰って口元を手で押さえてる。くそうこいつ手、でかいなあ。
「あなたって人は…!」
自覚ないのはホントに罪だとかなんだそれ。訳分からんことをひとしきり呟いた後、古泉は信じられん行動に出た。
「おまっ…何やってる放せ!放せってば!」
こいつここまでバカだったのか!?今こいつの口には俺の左手人差し指が、針刺して出血した指が咥えられている。なんで男に指咥えられて舐められなきゃなきゃいけないんだよ、なあこれなんて罰ゲーム?ちくしょう今針持ってなきゃ腹に一発喰らわしてやるのに。だからそういう風に舐めんなこのエロ泉!
ん、ん、という声にならない声が漏れてる。咥えられてる手はこいつのでかい手にがっちりホールドされて、さっきから引っぱってるのに抜けやしねえ。こいつこんなに力強かったか?それとも俺の力が抜けてるのか?冗談じゃない。これ以上の恥ずかしい目は勘弁してくれ。
喉をふさいでた何かをムリヤリ呑み下して、何とか呼吸を取り戻す。と同時にこんにゃろ、という衝動が走って脚が動いていた。
ダン、という鈍い音で古泉がビシリ、と固まった。その隙に指を抜く。俺の反撃はそこまでだった。後は情けなくへなへなと近くの椅子に座り込む。手に何か当たったが見る余裕もない。
「…あの、ちょっとこの足の踏み方はないんじゃないですか」
もう解凍したのか、立ち直り早いなエロ魔人。痛くて当たり前だろ痛く踏んでやったんだから。文句があるなら己の行動を振り返れ。
たかが足を踏むくらいで息が上がる俺も情けないが、男のメイド服にはあはあ息を荒げてる古泉も情けない。情けない男2人、口を聞く気にもなれなくてそのままの状態でぼーっとしていたが、さすがに頭も冷えてきた。何やってたんだっけ、ああ、あいつのブレザーのボタンつけだった。
ようやく古泉の方を見る余裕が出来て、あいつの姿を確認すると、針が付いたまんまの糸をぶら下げていつもの中途半端な薄笑いを浮かべてぬぼーっと突っ立っていた。なんだその間抜けな姿。らしくないな古泉よ。そう思ったら何だか笑えてきて、やっとあいつの顔が見られるようになった。
「ちょっとこっち来い。さっさと済ませるぞ、危ないし」
そう手招いたらあいつはまた微妙な表情になった。なんだその顔、何か言いたいことでもあるのか。
「いえ、その、怖くないんですか?さっきのこととか」
また訳分からんことを。さっきのは度が過ぎる冗談だろ、どう考えても。しかし今度やったら確実に腹にボディブロー入れるからそのつもりでいろ。
はあ、とかなんだか曖昧な返事をして古泉がやっと来た。いつまでも針が付いたままの服は危ない。なるべくさっさと済ませるべく、俺は針を動かした。針目のきれいさにはこの際目をつぶってもらおう、所詮男子高校生の裁縫技術だからな。
最後の玉結びをして糸を切ろうと、置いていたソーイングセットを見たら、ハサミがなかった。貸してもらった時には確かに入ってたはずだが、さてどこへやったのか。ってあれか、さっき椅子にへたり込んだ時にすっ飛ばしたのか。
辺りを見回してみるが、視界にハサミは見当たらない。ええいめんどくさい、古泉ちょっと動くなよ。
「ちょ、っとあなた何を、え、え」
だから動くなって言ってるじゃねえか、歯で糸切るのがそんなにおかしいのか。動くとやりづらいんだ、じっとしてろ。
俺の一喝が効いたのか、古泉の動きが止まった。なるべく玉結びの近くで糸が切れるように、ボタンにできるだけ口を近づけて糸を引っぱって喰い切る。よし、できた。
「終わったぞ、もう動いてもいいから」
と言ったのに古泉のやつはそのまま硬直している。あ、また顔が赤い、ちょっとヤバいんじゃないのかその赤さ。
まあやつは放っておいて、ハサミだハサミ。朝比奈さんからの借り物だ、何としてでも見つけなければ。
針をソーイングセットにしまい込み、屈みこんで机の下を探していたら、思ったよりも離れた所にハサミが転がっているのを発見した。よかった見つかって、と手を伸ばしたらいきなり背中がずしっと重くなった。
「あなたさっき言いましたよね、己の行動を振り返れ、って。その言葉そっくりお返しします」
ちょ、お前重いなんで圧し掛かってるんだ、やめろくすぐったい、とまでしかまともな言葉にならなかった。あとはそのままなし崩しだ。ああ、俺ってバカか。



…なんぞこれー。おかしいなあ神絵のラストはこうじゃなかったはずなのに。
キョンの言葉遣いもなんか柄が悪い。要反省要修正。
あと古泉の逆襲でオチをつけるのはいい加減やめようよ私。
…ほんっとすみませんでした神よorz
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高崎山えてこ
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自己紹介:
転がるがごとく古キョンにハマってとうとうこんなことに。
現在アニメ全話視聴済、原作は『退屈』『消失』『暴走』『陰謀』を読了。
ネタバレは気にしないタチですのでコメントはどうぞお気軽に。
女体化・パラレル大好物。
むしろココの主力かも。
MMORPG『エミル・クロニクル・オンライン(ECO)』プレイヤーでもあります。フリージアサーバー在住です。

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