捧げもの１つ、ここに

１つ前の日記に書いた、『この世界にひとり』のときこさまに
差し上げた短いお話です。
○○しょうがっこう　１ねん　こいずみいつきくんのこころにっき、
といったところでしょうか。
どなたが見ても平気なお話です。『続きを読む』からどうぞ。

－　あしたね　きっとね　－

キョンくんどうしちゃったのかな。
きのう、おひるやすみのあとでほけんしついっちゃってからあってない。
かえりも、さきにかえっちゃったみたい。せんせいがそういってた。
きょうもおやすみだって。あさ、とうこうはんのしゅうごうばしょにきてなかった。
つまんない。つまんないつまんないつまんない。
キョンくんといっしょにがっこういかないと、ぜんぜんおもしろくないよ。
なかやすみもあそぶのがおもしろくなかった。
きゅうしょくだっておいしくない。きょう、ぼくのすきなグラタンだったけど、
ちっともたべられなかったよ。
きょうはずーっと、だれともはなさないでいたら、かえりのかいで、せんせいがこういったんだ。
「こいずみくん、キョンくんのところにれんらくちょうとかとどけてくれるかな？」って。
ぼく、うん！ってげんきよくいったよ。
だからがっこうからかえったら、おうちにかえるまえにキョンくんのおうちにいったんだ。
キョンくんのおうちはしってるけど、いくのははじめて。
ピンポンならすの、すごくどきどきする。でもれんらくちょう、わたさなきゃ。
えいってピンポーン、ってならしてみた。
あ、「はーい」って、だれかいる。どきどきどき、とまらないよ。
「あ、こいずみ」
あれ？キョンくん。もうへいきなの？
「あら、古泉君、連絡帳か何か？ありがとうね。お家にはまだ帰ってないの？」
わ、キョンくんのおかあさんだ。
「こ、こんにちわ。せんせいからいわれてきたの」
「あらあら、ホントにありがとう、わざわざごめんなさいね」
おかあさんにせんせいからわたされたもの、ぜんぶわたした。
「こいずみ、あがってけよ、おかあさんいいでしょ？」
え、いいの？
「古泉君はいいの？うちは構わないけど、お家に連絡しましょうか？」
ぼくがこく、ってしたら、キョンくんのおかあさんはでんわをかけてくれた。
「おれのへやにいこう、ずーっときょうつまんなかったんだ」
キョンくんもつまんなかったんだ。ぼくとおんなじだ。
「ぼくもつまんなかった。キョンくんいなかったんだもん」
「じゃあいっしょだ。つまんないどうしだ」
「うん。つまんないどうしだね。ねえ、あしたはがっこういける？」
「いくよ。きのうあたまうったから、おかあさんがきょうはやすみなさいって。
でもおやすみっておもしろくないな。ほんもげーむもすぐあきちゃった」
「ぼくも。きょう、きゅうしょくグラタンだったけどのこしちゃった」
「もったいねー！おれだったらぜんぶくうぞ」
「でもキョンくんいないとおいしくないよ」
あしたはがっこういく？ってきいたら、キョンくんがうん、って。
よかった。あしたはきっと、ぜんぶぜんぶおもしろい。



…小学１年の君たちは仲良しさんだねー。